稲渕(奈良県明日香村)H10.9.13
明日香村は飛鳥時代の遺跡が集中していることで知られており、石部隊古墳の南側に位置する稲渕の棚田も歴史的景観の一部を構成しています。平安時代から室町時代にかけて開墾され、日本の棚田百選にも選ばれており、約300もの水田と畑により構成されています。棚場は飛鳥川の両岸に作られており、用水も全て飛鳥川から引かれています。その棚田で生産されるのは縁故米が中心で、ほとんど地域外に出荷されませんが、一部は直売所で入手できる他、オーナー制度も行われています。

棚田周辺は県内でも有数の彼岸花の自生地で、秋には稲穂の黄金色と彼岸花のコントラストが楽しめるほか、案山子コンテストでは色んな案山子が棚田のあぜ道沿いに並びます稲渕地区はこの辺りでも最大級の棚田ですので、歩くと結構時間がかかりますが、そのあぜ道には途切れることなく彼岸花が咲いています。彼岸花の時期には多くの観光客が来ますが、範囲が広いため細いあぜ道でもごった返す程にはならずにゆったりと撮影ができます。

なお、明日香村には「稲渕」「上(かむら)」「細川」の3つの棚田があり、稲渕は「広大」、上は「眺望」、細川は「夕陽」と、それぞれの美しい特徴があります。他の棚田も巡ってみたいと思います。