御誕生寺(福井県越前市)R2.10.13
御誕生寺は曹洞宗の寺として昭和23年(1948年)上田全之という方により小堂が建立されるも、その後荒廃した時期が続きました。平成14年(2002年)に元曹洞宗管長の板橋興宗という方により、宇野酸素という会社より土地を寄進された現在地に小堂を建立した後、平成20年(2008年)に本尊安置、翌年には大本山総持寺より認可されたという新しい寺社です。

御誕生寺は猫寺としても知られています。寺の建立直後に4匹の捨て猫を世話したことをきっかけに、最多時は約80匹、2017年では約30匹を世話していたとのことです。全てに名前と首輪を付け、猫の里親探しをしたり、避妊手術等をしています。そのため通常の参拝の他に、猫目的のために年間約3万人が寺を訪問しているとのことです。

猫の保護や飼育は住職や修行僧の尽力、檀家や猫愛好家などの参拝者の篤志で賄われているそうで、寺の中に猫の肉球のお守りが置いてあり、1000円以上の寄付をした人に贈呈しています。私も猫の恩恵にあやかった一人として寄付をした上で、お守りを記念に持ち帰りました。

御誕生寺境内に車で入ると、広い駐車場があります。一角に停めてある先客の車に沿って駐車するも、その車の横に猫が寝そべっているのでヒヤリとしました。駐車場の周りに本堂と大仏様と納屋とお墓が囲っている状態で、猫も駐車場付近にいました。猫が車にひかれないかと心配しましたが、その日の駐車場はガラガラだったので安心しました。

当日はコロナウイルスの関係で多くの猫が納屋に入ったままで、13時頃に到着した際の猫は4匹でした。納屋の横には猫のいない猫小屋が6個程並び、別のガラス張りの倉庫には10匹ほどの猫が寝ていたものの、写真を撮影するのは難しい状況でした。更に4匹のうちの1匹はどこかに行ってしまい、とても残念な気持ちになりました。

それでも今までの経験から「猫は夕方に近づくにつれて姿を現わす」との狙い通り、どこからともなく猫が増えだし、16時頃には10匹程の猫がいました。どの猫も人に慣れているので、猫に癒されに来た多くの人が猫を囲むように集まっていました。撮影目的の私としてはなかなか難しいところもありましたが、猫自体がリラックスしてくれているので、猫の魅力である欠伸や背伸びを見せてくれるのが嬉しかったです。そしてこれほどに人に慣れ、リラックスできているのは、それほどこの寺で大事にされている証拠だと思い、寺に感謝する気持ちにもなりました。

途中一匹の猫が墓に向かう小径を行くので付いて行くと、途中でゴロンと寝転がったり、欠伸をしたり、水を飲んだりと色々な姿を見せてくれ、誰もいない中で撮影できたのはラッキーでした。

寺自体は全ての建築物が新しく、大仏様も猫2匹を抱えた胡散臭いものでしたが、恐らく全体の半分も姿を見せていなかった猫でも、訪れて本当に癒されました。また是非再訪したいと思います。