不動七重滝(奈良県下北山村)H14.8.16    
不動七重滝は吉野熊野国立公園内の大峰山系の秘境にある滝です。釈迦ヶ岳(1800m)に源を発する前鬼川にかかる水量豊かな7段の滝で、谷を縫うようにして流れて落ちていくのが印象的です。林道から一望できますが、折れ曲がっているため全景を見ることは出来ません。

林道脇に谷まで降りる登山道がありますが、かなり急こう配な道なので注意が必要です。谷まで降りると、滝を落ちてきた前鬼川の水がそのまま川となって流れていますが、その水のエメラルドグリーンの澄んだ美しさに息をのみました。正直ここまで透明度の極めて高い川は他で見たことがありません。真夏でありながらとても冷たくて神々しくも感じました。

川を挟んで更に上り坂を上がり切った場所に、一段目の一番大きな流身の向かいにある岩場にたどり着きます。流身の下から4分の1程の高さにある場所ですが、水量の多いダイナミックな滝をすぐ目の前で見ることができます。美しい川の水とともに是非とも見ていただきた景色ですが、林道から滝前の岩場まではおよそ30分程かかり、かつ帰りはとんでもない上り坂が永遠と続く状態ですので、体力に自身がある方に限ります。

また、川にたどり着いた後に上り坂を登らず、川の上流沿いに歩いていくと、一番下の滝の前に行くことができます。安全な場所に限ればその滝の100m程までしか近づけませんが、川の水の美しさもあって素晴らしい景色を見ることができます。

なお、釈迦ヶ岳一帯は信仰の山として有名な大峰山系の修験道があり、不動七重滝の上流部には修験道の奥駆けルートのひとつである前鬼の宿があります。