伏見稲荷大社(京都市伏見区)R3.10.16他
始まりは和銅4年(711年)とされる伏見稲荷大社は全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本山で、初詣では近畿地方の社寺で最多の参拝客が訪れます(全国4位)。中世から近世にかけては商売繁盛・家内安全の神として知られおり、明応8年(1499年)再興の本殿や権殿・摂末社等の重要文化財があります。また、稲荷山を巡拝する約4キロの「お山巡り」の参道には、数千本の鳥居が立ち並ぶ姿はとても壮観です。

かなり有名な社寺であり、JR京都駅から二駅という便利な立地でありながら、私自身ここを初めて訪れたのは50前の年齢になってからでした。それも猫が多くいるという情報を得たからであり、参拝や有名な鳥居の撮影にはあまり触手が向きませんでした。しかし、実際に訪れると、社寺や鳥居の立派な姿に、数多くの社寺を見てきた私も驚きました。

楼門・本殿を過ぎ、左奥に進むと左右に道が分かれる場所に着きます。右に曲がるとルート通りで、左は戻ってくる人の出口になりますが、その分かれ道にある祠に3匹の猫がくつろいでいました。時間も夕方に近く、山から降りてくる人が殆どだったので、猫に気づく人も少なかったですが、私が必死に撮影しているのを多くの参拝者に見られて、ちょっと恥ずかしくなりました。

ルートを右に進むと、ひたすら鳥居のトンネルを進みますが、途中に猫が出てくるほど都合良くは行きませんでした。途中T字に辿り着き、右に進むと「お山巡り」に向かう道となり、左に曲がると先ほど猫がいた分かれ道に戻ります。そのT字付近には猫が3匹おり、そのうちの1匹はとても人懐っこい猫で、2日間訪れた中でリラックスした猫が多かったものの、距離を取る猫が多い中で飛びぬけて懐っこい猫でした。

T字から左に曲がって入口に戻って行くと綺麗なお茶処があり、その付近には大きな狛犬ならぬ狐の銅像があります。更にその先には祠があり広い空間がありますが、それらの付近にも数匹の猫がいました。初めて訪れた時は3匹の猫がいましたが、一通り廻った後で日も暮れかけていたため殆ど撮影ができませんでした。その中で一匹の猫が高い場所にある狛犬まで登り、足元でくつろぎだしたので撮影したのですが、やはり夕暮れの暗さで手振れを免れなかった事が悔やまれました。

二度目の訪問時、早めに同じ場所に行くと、逆に夕方には早すぎて猫の姿が見えませんでした。諦めかけてふと狐の銅像を見ると、狐の足元の高い場所に一匹の猫を見つけました。狐の尾付近にいたので誰も気づいていなかったですが、私好みの丸々した猫だったので心が躍りました。

始めは望遠で撮影していましたが、背伸びをしたり欠伸をしたりと警戒感がなさそうだったので、足元まで移動しました。狐と猫を下から一緒に撮影しようとしましたが、引きが取れず地面に座り込んでは反り返って撮影してもギリギリの状態でした。足元でジタバタと必死に撮影をしている私の上で、猫は動じずにこちらを見たり、遠くを見たり、欠伸をしたりと、相変わらずマイペースでした。

お陰様でいい写真を取らせてもらいましたが、ここでも素通りするはずの訪問客に撮影している姿を見られては恥ずかしい思いをしましたが、多くの人が「かわいい」と写真を撮影していたので、猫の存在を教えたという意味ではお役に立てたかなと思いました。