兵庫県の滝 H15.7.5他    

白綾滝 H15.7.5
別ページ「兵庫県北部の滝」にも書きましたが、兵庫県の滝は20~40m級の滝が多いイメージがあります。更に、数多くの滝があるものの、上流域が狭いのか、水量に難がある滝が殆どのイメージもあります。実際何度か兵庫県の滝撮影に臨んだのですが、殆どが水量不足で撮影もままならない事が殆どでした。別ページの「千種滝」「扁妙滝」も3度目(それも台風が過ぎた翌日を狙って)でやっと撮影できた次第です。そんな撮影回数を重ねながらも殆どまともに撮影出来なかった中でも、比較的しっかり撮影できたものを掲載します。

白綾滝(朝来市・30m)
 生野銀山(1973年閉山)の南に位置する滝で、岩盤には細かい板状節理があるため、流身が綾を織るように繊細で美しいことから名付けられています。国道429号・県道367号経由で林道に入り、駐車場(3台分のみ)から5分ほど山道を歩けば到着です。三段・30mとなっていますが、その下は殆ど滝壺もなく、更に下流に同様の流れが続くので、50m程の滝にも見えます。但し下流から滝を見上げると、中段付近の東屋が気になります。水量難が欠点で、上記「千種滝」「扁妙滝」と同じ日に撮影したものです。

太田滝(神河町・56m) 落差自体はあるのですが、すぐ上流に太田池(貯水池)があり、普段の水量は少ないのが難点です。林道で太田池を通過し、行き止まりまで行くと滝入口があります。殆ど下り坂を20分程進むと滝の直下まで行けますが、直下からの眺めでは貧相で、正直滝らしく見えません。右岸から岩をよじ登り、中腹辺りから眺める必要がありますが、足元には十分ご注意下さい。羽柴秀吉が中国攻めの際、赤松一族の最期を見届けた太田源内が、一族の守り本尊を首にかけ、この滝に身を投じたという伝説があります。

香良独鈷滝(丹波市・18m) 弘法大師の伝説が残るこの滝は、手前にある岩瀧寺から歩いて5分程で滝に到着します。滝の傍らには大きな洞窟があり、不動明王が祀られています。手前の渓谷は断層崖や洞窟が連なっており、シダコケ類の珍しい植生とともに丹波市指定文化財となっています。滝はシンプルな直瀑ですが、岩瀧寺自体が紅葉の名所として丹波市観光100選に選ばれており、滝付近にも多くのモミジが存在します。紅葉のシーズンには美しい景色が見られると思います。なお、2014年8月に発生した豪雨災害により滝への道は閉鎖されていましたが、現在は復旧しています。しかし、岩が転がっている等足場が悪くなっている箇所もあり、滝壺もガレ石で埋まってしまっています。

万ヶ谷滝(宍粟市・50m) 国道29号の道脇にかかる「そうめん滝」から左岸沿いに15分程遡った先にある滝です。滑り台のように傾斜があるも、ゴツゴツした表面の岩の上を滑り落ちてくる滝で、比較的安定した水量があるようです。しかし下流の「そうめん滝」がメインだったものの、そうめん滝の水量が少なかったのが不思議です。昼過ぎに滝に到着しましたが、当時はリバーサルフィルムで撮影したからか、谷の底の暗い部分と、太陽の光が当たる部分とのコントラストが強すぎて撮影が困難になりました。逆手にとって水しぶきを逆光で撮影してみると、案外良い写真が撮影できました。

原不動滝(宍粟市・88m) 兵庫県を代表する名瀑のひとつで、深い樹林に包まれた谷を3段になって落ちる勇壮な男滝と、その右岸にそっと寄り添う女滝からなります。整備された遊歩道(有料)を10分程辿って簡単に訪れることができ、滝の前にある豪華な吊り橋の上から滝を見る形となります。付近はブナ・カエデ類が多く、新緑・紅葉時には美しい景色を見せてくれます。但し私が訪れた際は、何の工夫もない写真ばかりとなり、折角の渓谷美や滝の大きさが全く分からない画像となってしまいました。改めて訪れたい滝の一つです。

足尾滝(神河町・30m) この滝は特に集水域が少ないため、普段の水量が少ない滝ですが、水量の多い時はとても素晴らしい姿を見せてくれる滝です。でも三度訪れて未だ水量が多い姿を見たことがありません。県道39号の道の脇に、分かりにくいですが小さな看板とともに野生動物侵入阻止のための門が閉められています。付近に車を停め、門を開けて15分程上り坂を登ると、目の前に立ちはだかるように滝が現れます。幅広い岩肌に水が流れた跡があるのですが、実際に流れているのはその岩の向かって右側の一筋だけです。水量が多ければ見ごたえのある姿が見られるのですが、残念でした。滝壺はないため、真下まで寄ることができます。

河原田不動滝(宍粟市・45m)
 揖保川の上流域にかかる滝群の総称で、一の滝から七の滝まであります。そのつい最大のものが、今回掲載の一番下にある「一の滝」です。滝自体は集落の近くにあるのですが、滝付近にはそのような雰囲気を全く感じません。この滝も集水域が狭いため、通常は水量が期待できないようですが、流身自体はとても優雅に見えます。一の滝の左岸に急斜面の遊歩道があり、残り6つの滝まで登ることが出来ます。私も登ったのですが、他の滝の記憶が定かではありません。但し滝の横から、途中の流れを撮影出来るのは新鮮に感じました。

扁妙滝(神河町・65m) 笠形山にある滝で、名称は江戸時代初期に滝近くに不動明王をまつった僧の扁妙に由来するとされています。通常は水量に難があります(実際三度目の正直で初めて水が流れている姿を拝見できました)が、冬季には凍結する氷瀑として有名です。 グリーンエコー笠形から1キロ山側にあるキャンプ場にある笠形山登山道入り口から向かうと、途中落差24mのオウネン滝があります。オウネン滝は大きな岩の面を滑るように落ちる滝で、周りの緑との調和が綺麗な滝です。但し細い登山道から撮影するため引きが取れず、構図が決まってしまいます。

入口から30分程歩くと扁妙滝の正面に到着しますが、更に滝を上から見下ろせる滝見台があり、滝直下から滝見台までの登り口がありました。単純に考えても65mの滝を見下ろすにはそれ以上の高さに行く必要があり、案の定滝見台までの道はとにかく直角の梯子の連続でした。よくもこんなルートを作ることを思いついたなと考えながら、とにかく体力任せに登り続けると、とても高い滝見台に到着します。今まで滝の直下から見えている部分が65mと思い込んでいたのが、実際には半分しか見えていなかったことに驚いたとともに、上半分はストローのように急流の流れになっていたのが意外かつ綺麗でした。

白綾滝 H15.7.5

太田滝 H21.6.28

香良独鈷滝 H10.9.6

万ヶ谷滝 H19.5.13

万ヶ谷滝 H19.5.13

原不動滝 H19.5.13

足尾滝 H21.6.28

河原田不動滝 H19.5.13

河原田不動滝 H19.5.13
 
扁妙滝 H15.7.4

扁妙滝 H15.7.4

オウネン滝 H15.7.4