因美線(鳥取~東津山間)H9.9.24
因美線は大正8年(1919年)に鳥取~用瀬間で開業した因美軽便線が始まりです。途中津山から鳥取に延伸し始めた因美南線の開業に伴い因美北線と改名した時期もありましたが、昭和7年(1932年)に智頭~美作加茂が開通して全通となったことに伴い「因美線」と改称されました。

それ以降津山線を経由して岡山と鳥取を結ぶ重要路線として長年存在してきましたが、平成6年(1994年)に智頭急行が開業し、岡山・上郡・佐用・智頭経由で鳥取へ向かうルートで特急「いなば」が運行開始すると状況が様変わりしました。鳥取~智頭間は優等列車のために線路の高速化が図られ、1~2時間に1本の割合で運行されていますが、智頭~東津山間は1日7往復(1~3時間)で、5時間近く運行のない時間帯もあります。

現在津山~鳥取間で直通の列車はありませんが、智頭急行が開業するまでは岡山~鳥取間を急行「砂丘」が運行されていました。平成9年(1994年)11月29日の廃止までキハ58・28の組み合わせで運行されていました。また智頭~東津山間では西日本で最後となる1999年12月までタブレット交換が残っていた場所です。本来は運転手と駅員が手渡しで交換しますが、「砂丘」が停車しない高野・美作河井・那岐の3駅だけは「砂丘」の運転手が列車を走らせながら手を伸ばしてタブレットをすくい取ったり投げ入れる姿を見ることができました。

因美線にはそれ以降、智頭急行経由で走る「はくと」「いなば」撮影のため鳥取~智頭間しか訪れていません。しかし急行「砂丘」の廃止決定をきっかけに何の知識もなく訪れた場所で、最後のタブレットの「投げ入れ・すくい取り」を見ることができたのは大変幸運でした。

最後の2枚は、別日に撮影した、美作河井駅付近を走行する「はくと」「いなば」です。