石川県の滝 H19.6.2他    

ふくべの大滝(白山市)H19.6.2
石川県は縦に長い県ですが、北側の能登半島には大きな滝は殆どなく(最大で30mの樽見滝(宝達志水町)と思われます)、大きな滝の殆どは県南部に集中しています。最南東には霊峰白山(2702m)があり、その付近と、北側を走る「白山スーパー林道(2015年から「白山白川郷ホワイトロード」と改名しました)」に多くの滝が存在します。

まずは「白山スーパー林道」の滝から記載していきますが、同林道にある「姥ヶ滝」だけは別ページに掲載しています。同ページにも記載しましたが、同林道は4月から5月の雪解け時期には滝や川の水量が多くなりますが、同林道は6月中旬頃からしか冬季期間からの通行止めを解除しないため、解除後すぐに訪れても雪解けの恩恵を受けられるかは運次第となります。実際過去に何度か挑んだものの、3度連続して水量が少ない滝を見ることとなっていましました。そして4度目の挑戦となった平成19年6月には、たっぷりとは行きませんでしたが、滝として撮影できる程の水量に恵まれました。

中宮ゲートから入ってまず見えてくるのは「しりたか滝(100m)」ですしりたか山を源流とし、急峻な山とその間に見える絹のように白い流れに特徴があります。の朝日が出る11時ころまでは滝の中程の虹が見えるとのことです。深く削られたしりたか谷の断崖を向きを変えながらかかるため、全容が一望出来ないのが残念です。

続く「三味線滝(50m)」はなだらかな岩を細い三本の流身が分かれて落ちる滝ですが、水量がない時期は全く水がなく、当時も水が殆どなかったため掲載していません。続く「岩底の滝(30m)」は岩底谷が合流する断崖にかかる滝で、駐車場から見下ろすことが出来ます。滝の上に大木をも沈めてしまう底なしの釜型の淵があることから、この名前が付いています。なお、この滝は上流の流域面積が広いため、この辺りの滝の中でも水量が豊富です。

続く「かもしか滝(40m)」は滝が5段であることから「五重の滝」や「五色の滝」と呼ばれており、天然記念物のニホンカモシカの生息密度が高いことから、その名が付いているそうです。

次に姥ヶ滝が現れ、見た後は次に行ってしまいそうになりますが、道路から滝を見下ろすその場所の近くに車道のトンネルがあり、トンネルの横の隙間から何とか見える滝があります。看板等の紹介もなく不本意な扱いを受けていますが、水量さえあれば林道一番のお薦めの滝です。その「水法(みずのり)の滝(70m)」は水の流れる域がかなり広く、水量があればかなり広く枝分かれの滝が現れ、周りの岩が作る風景と相まってスケールの大きい景色を見せてくれます。ただし水がない時は、向かって左側の岩に沿って流れが出来るだけで、ひどいときは滝自体が存在しない場合もあります。条件次第の滝ですが、男性的な姿と姥ヶ滝の向かいにあることから、「姥(老女)ヶ滝」に対して「尉(老翁)ヶ滝」とも呼ばれています。

最後は「ふくべの大滝(86m)」です。瓢箪山(「ひょうたん」と書いて「ふくべ」と読みます、1637m)からの水が、垂直に切り立った高崖を一気に落ちており、水量が多いと辺りは水しぶきで凄いこととなっており、近付きがたい豪瀑と化します。林道がUターンするカーブに差しかかった場所に突如現れるので、すぐ目に入ります。この林道が開通したと同時に日の目を見た幻の滝であったようで、正確には上にもう一段ある滝だそうです。

上記撮影当日にはこの他にも多くの滝に立ち寄りました。

「霞滝(70m)」 スーパー林道の入口付近から県道53号に入った奥地にあり、県道から見下ろす形となります。緑に囲まれた岩場が綺麗ですが、上段が木々に霞んで見えないのが名前の由来で、本当に下段しか見えませんでした。

「不動滝(70m)」 国道157号から県道33号に入り16キロ程走った白山登山口付近にある滝です。車止めから1時間程歩くと展望ポイントとの事でしたが、山の上にあるのでもっと手前からでも見上げることができます。本来はもっと緑豊かな風景のはずが、その年は寒かったのか枯れ木ばかりの殺風景な写真となってしまいました。

「綿ヶ滝(32m)」 白山より国道157号で北に向かった国道沿いにあります。比較的人が多い国道沿いでありながら、深い谷を形成する手取渓谷の絶壁を滝の水が落ちる風景は山奥を想像させます。「綿ヶ滝いこいの森」の中にあり、訪れたり、川で遊んだりする人が多くいます。

「板尾不動滝(30m)」 綿ヶ滝の近くにあり、国道157号から県道181号を南下した場所にあります。遊歩道を10分程歩くと辿り着きますが、途中一・二・三の滝があります。どれも小さい滝ですが、二の滝(7m)は滝前が開かれており、流身も特徴的でした。板尾不動滝は末広がりの美しい流身ですが、落差があるものの引きが取れず、滝前の木をうまく処理するのが撮影の上で大切になりました。

「十二ヶ滝(6m)」 途中で行き止まりになる国道416号から、これまた途中で行き止まりになる林道(西俣川沿いに走ります)を行くと、川をせき止めているかのような滝が現れます。横幅が広いのが魅力ですが、当日は水量が少なく、広い滝幅を生かすのが難しかったです。また辺りは農業用の取水堰があったりと環境も良くなく、それらを外したフレーミングをせざるを得ませんでした。朝早くに到着したので朝焼けが滝を照らす美しさがありながら、消化不良でした。

「西俣大滝(43m)」 十二ヶ滝から更に奥に行くと、森の中で道は無くなります。そこから平坦な道を10分程進むと、おもむろに左側に姿を現わします。大きな滝のはずが、上部は殆ど見えない上に、存在感のない滝に思わず「えっ、これ?」と驚いてしまいました。上段から下段へは方向を変えて水が落ち、流身も3つに分かれては変わった形を形成する滝です。

しりたか滝(白山市)H19.6.2

かもしか滝(白山市)H19.6.2

岩底滝(白山市)H19.6.2
 
水法滝(白山市)H19.6.2

霞滝(白山市)H19.6.2

西俣大滝(小松市)H19.6.2

十二ヶ滝(小松市)H19.6.2

板尾不動滝(白山市)H19.6.2

板尾不動二の滝(白山市)H19.6.2

不動滝(白山市)H19.6.2

綿ヶ滝(白山市)H16.8.7