石切神社(大阪府東大阪市)R1.6.14
石切神社は正式名称を「石切剣煎神社」と言い、地元では「石切さん」や「でんぼ(腫れ物)の神様」と親しまれています。本殿前と神社入口にある百度石の間を行き来するお百度参りが全国的に有名です。

皇紀2年(紀元前658年)に創建されたと言われていますが、記録書物が焼失していまい史料がない状態との事です。室町時代末期に兵火にかかり社殿を焼失した後、復興もしましたが、場所が変わったりと変遷を辿った後の昭和7年(1932年)にやっと再興の気運が高まり、昭和47年(1972年)に往古の姿を取り戻しました。神社の背後にある生駒山系の山奥に、創建時の地といわれる場所に上之社(奥の院)があります。更に奥には「奥宮」がありますが、そちらは荒廃しているとのことです。

地下鉄中央線・新石切駅から10分足らずで石切神社に到着しますが、その背後の生駒山系の山を登るように更に参道が続きます。参道脇には百数十件のお店がぎっしり並んでおり、飲食店や食品、占い、漢方薬、衣料品、日用品等を扱っていますが、懐かしい雰囲気に心が躍りました。参道を登り切った先には近鉄奈良線・石切駅があり、石切駅から下に降りていく参拝方法もあります。なお、上之社は石切駅の更に山を登った先にあります。玄関口として山門(絵馬殿)を通り、参道を横切った先に境内があり、正面に本殿、左には神火殿・神楽殿等がある祭事スペースがあり、右には授与所や祈祷受付の社があります。背後には穂積殿という大きな社があり、更に境内には2つの会館がある等、それほど広くない境内に建物が詰まっている感じです。

石切神社に猫がいるという噂を、嫁さんの友人に聞いて訪問を決めましたが、事前情報としてネットを見ると、「神社付近で猫を世話する人がおり、猫が増えてたので寺が困っている」「猫を減らそうと寺が猫を虐待している噂があり、世話をしている人たちと揉めている」旨の記事がありました。嫁さんの友人曰く「石切の猫は飼い猫のように大事にされてなさそう」とも聞き、何とも行きにくい感がありました。

訪れた当日は結構な雨で、傘を刺しながら境内まで来ました。雨天時は猫の撮影はしないのですが、曇天ながら自宅を出発し、新石切駅を下車したあたりから雨が降り出しました。折角なので仕方なく訪れたようなものですが、平日であることもあって人が殆どいないので、気兼ねなく撮影できる状態でした。猫がいなければどうにもならなかったのですが、逆に祭事スペースの受付台に4匹の猫が雨宿りをしていました。スペース内には入れないので望遠で撮影しましたが、猫たちは思いのほかリラックスしており、欠伸や背伸びを繰り返していました。

その後傘を刺しながら境内を探しましたが、二匹ほど見つけた猫は足早に逃げてしまいました。やはり厳しいかと思っていましたが、雨が止むと、あちこちから猫が現れだしました。本殿前に境内に新たに3匹、境内の東側にある会館付近に6匹(子猫が多く、逃げられてしまいましたが)、そして絵馬殿と鳥居の間にある建物(何かは分かりませんでしたが)、付近に数匹の猫がいました。また、境内から参道100m程を登った左手に小径がありますが、その軒先にも4匹の猫がおり、家の中にいる猫もいたので、猫を飼っている人もいるようです。

半年後に再訪時は主に絵馬殿付近が中心でしたが、その日の猫は以前よりはるかにフレンドリーでした。絵馬殿横には駐車場があり、その脇にはトイレが付いた休憩所があります。ベンチが置いていて座れるのですが、その付近に5匹の猫が陣取っていました。恐らくご飯の時間まで待っているようでしたが、横に座っても殆ど微動だにせず落ち着いて様子でした。先日訪れた際に見た猫とは違いましたが、逆に前回見た猫は全然見ることができませんでした。

神社からすれば困る事でしょうが、猫の数はかなりの数になりそうです。何とか猫との共存がうまく行くことを祈りながら、また再訪したいと思います。