石山寺(滋賀県大津市)R4.11.14
石山寺は東寺真言宗の大本山の寺院で、西国三十三箇所の第13番札所として、また紫式部の伝承でも有名です。琵琶湖の南端に位置し、瀬田川の右岸に存在します。本堂が国の天然記念物である珪灰石という巨大な岩盤の上に建っており、それが寺名の由来となっています。

石山寺は聖武天皇の発願により、天平19年(747年)に良弁が如意輪観音をこの地に祀ったのが始まりで、その後も国を挙げての拡張・整備が行われましたが、当時は華厳宗の寺院として存在していたようです。その後平安時代に真言宗の寺院となった頃には「石山詣」が盛んとなり、当時の様子は「蜻蛉日記」や「更級日記」にも描写されています。

承暦2年(1078年)に落雷で本堂等が半焼・損壊したため永長元年(1096年)に再建し、その頃から現在見るような寺観が整ったものと思われています。その後も織田信長によって寺領5000石が没収されたものの、豊臣秀吉によっていくつかの寺領が返還され、後に徳川家康によって寺領579石が認められたりして現在に至っています。石山寺は全山炎上するような兵火には遭わなかったため、貴重な文化財を多数保存しています。

境内には東大門から入りますが、門付近の外壁を超えるように美しい紅葉が出迎えてくれました。門の外から中を覗くと、境内への奥へと続く参道が見え、左右には多くのモミジが見えたので期待が膨らみましたが、実際は参道付近のモミジは日陰であるため色づきが遅れていたのが残念でした。メインの階段より奥にある階段を登っていくと、本堂の真下を通りますが、その付近の紅葉(黄葉)がとても綺麗でした。上の境内には本堂の他、蓮如堂・三十八社・観音堂・御影堂に囲まれた広場に出、更に岩の上に建つ多宝塔等も見えます。本堂前と三十八社、多宝塔前の紅葉がとても美しく見頃でしたが、本数はそれほど多くなかった感がありました。

結局多宝塔奥まで登った後に下山しましたが、本堂付近と東大門付近のモミジは高低差や日当たり具合からして同時に見頃になるのは難しいのではと感じました。また、参道にも僅かながら見頃の紅葉もありましたが、他の建物や樹木等が邪魔して撮影できる環境ではなかったことから、本堂付近の境内が見頃の時が一番良いのではと感じました。