岩泉線(茂市~岩泉間)H10.8.7 H12.5.4
岩泉線は盛岡市と宮古市を繋ぐ山田線の、茂市駅から枝分かれして岩泉駅までを結ぶ支線です。山田線自体が多くの乗客を見込みにくい路線でありながら、更に何もない駅から更に枝分かれして何もない山中を38.4キロも走る路線があるのか不思議ですが、かつて大戦中の耐火煉瓦の原料となる粘土の輸送のために建設された路線で、これまで何度も廃線になりそうになりながらも、並行する道路が整備されていなかったため代替道路未整備を理由に最近まで廃止を免れていました。しかし、平成22年(2010年)7月に発生した土砂崩れによる脱線事故のため、以来全線で運休状態となり、元々全国一の赤字路線であったこともあり、結局復旧を断念し平成26年(2014年)4月に廃線となりました。

2007年からキハ110系に変わるまで、キハ52が単行で運用されており、付近の秘境ムードと相まって、鉄道ファンの中ではかなり人気のある路線でした。私も是非撮影してみたいと思いましたが、何せ1日3往復しかない(更に昼間に撮影できるのは1往復のみ)上に、沿線に行くにも山奥のため時間もかかるので困りました。平成10年に初めて訪れた時は、ただ岩泉付近で車両を見たという感じで終わってしまいましたが、平成12年の時は撮影場所も調べ上げたうえで再挑戦しました。

但し当日は大雨で、沿線に向かう道中の山道でも不安しかなかったのを覚えています。ただ岩泉線に再チャレンジしたいと思う気持ちだけで何とか行くことができたと思います。予め調べた撮影場所は高台から押角駅を望む場所でしたが、幾分激しい雨が残る中、3人程撮影者がいたのは安心しました。予定通りキハ52単行が見えた時は、今までの苦労があった分感動で身震いをしました。大雨が降っていた分山肌が曇って、秘境の雰囲気が出てくれたと思います。