浄瑠璃寺(京都府木津川市)H5.11.6
浄瑠璃寺は永承2年(1047年)に義明上人により本堂が建立されたのが始まりですが、その本堂は一日で屋根を葺き終えるほど小さいものでした。嘉承2年(1107年)には現在の本堂(国宝)を現在の境内にある池の東側に建立し、保元2年(1157年)には現在の場所である池の西側に移しました。その後治承2年(1178年)には京都の一条大宮から三重塔(国宝)を移築しています。中世から近世にかけて浄瑠璃は興福寺一乗院の末寺でしたが、明治初期の廃仏毀釈の混乱期に真言律宗に転じ、奈良・西大寺の末寺となり、今に至ります。

浄瑠璃寺は京都府にありますが、実際は奈良市内に近い場所にあるため、交通手段はJR・近鉄奈良駅からバス利用でアクセスすることとなります。浄瑠璃寺は当尾地区にありますが、この地区は多くの石仏や石塔が点在することで知られており、特に平安時代から修行僧の庵室や行場が設けられていた関係で、浄瑠璃寺や岩船寺の界隈に鎌倉時代後期から室町時代にかけて、行き交う人々のために多くの磨崖仏が彫られていたのが現在でも多く残っています。そのため石仏の里として観光客が多く訪れる場所となっています。

初めて訪れたのは、旅行の趣味を始めた年の秋でした。比較的早く訪れた理由は覚えておらず、また奈良駅から当尾までわざわざ6キロ程歩いて行った理由も覚えていません。石仏巡りをした後に浄瑠璃寺・岩船寺を巡るという、当尾を隅から隅まで見て回った記憶があります。

浄瑠璃寺の紅葉は正直規模は小さく、三重塔付近に数本あった記憶しかありませんが、その紅葉の美しさがびっくりする程に綺麗で、数枚撮影をしました。しかしタイミングが悪いことに、丁度それまで撮影に使用していたネガフィルムをリバーサルフィルムに切り替えていた時期でした。リバーサルはフィルムの購入時にも現像時にも多額の金がかかってしまい、そのため気兼ねなく撮影が出来ず、更にネガよりも繊細なため、ちょっとした光の加減で色がおかしくなってしまいます。まだリバーサルに慣れていない状態で、かつネガティブなイメージが頭をよぎりながら撮影をした結果、撮影枚数は極端に少なく、その写真も光がオーバーすぎて真っ暗な写真が続出してしまいました。スナップ写真すら残らない散々な結果に、その後3度も再訪するも、あの綺麗な紅葉にまだ会えていません。その後浄瑠璃寺が猫の名所であることを知ったので(猫のページをご参照下さい)、猫撮影も兼ねて再訪したいと思います。