上北山村の滝(奈良県上北山村)
H13.8.5他
    

かくれ滝 H27.8.22
上北山村は奈良県の最南東部にあり、区域の西側と南側は三重県との県境となっています。そのため奈良県内でも一番海に近い地域ですが、深い山間であることに変わりありません。そしてこの地域にも魅力ある大きな滝が多くあるのが特徴ですが、今回このページを作成する前に、既に「千尋の滝」は別ページに掲載してしまいました。他に日本の滝100選に選ばれている「西ノ滝」「中ノ滝」や「岩屋谷滝」「大滝」等もかなり大きく素晴らしい滝であるものの、その道中が危険すぎるため訪れることが出来ません。そのため残り物を集めた分、ちょっと小ぶりになってしまいましたが、紹介させていただきます。

かくれ滝(91m) この滝も素晴らしい滝ですが、これまでも別ページに掲載するとこのページの存在意義が無くなりそうだったので、あえてこちらに掲載しています。国道425号を走り、ツキ谷の滝や千尋の滝を通り過ぎ、三重県との県境付近まで来た場所の、道の脇にある場所に存在します。但し、奈良方面から車を走らせると、左カーブを曲がった背後に見える形となるので、通り過ぎてしまうことにご注意下さい(一応看板はありますが)。国道からは見えにくいですが、累々と転がる巨石を越えていくといきなり滝が姿を現わします。かなり高い場所から落ちている流身は良く見えるものの、スケールが大きい割に、優しく岩を滑って末広がりに水が落ちてくる姿はとても上品です。

ナル谷の滝(100m) 上北山村の最南端にある滝です。これも同じく国道425号を進み、途中備後橋という赤い橋を渡るのですが、その橋を渡る手前を右に曲がる林道があるので、そちらを進みます。後は一本道なので迷わず行けるのですが、滝は大きいものの手前に木が茂っているので見落とす可能性があります。林道自体が池原貯水池から流れ出る備後川に沿って走るのですが、ナル谷の滝はその対岸に流れています。滝を過ぎた場所に車2台程駐車できるスペースがあり、その付近から下の河原に降りることができるそうなのですが、そこから更に川の中を歩く(泳ぐ?)ことで滝の下から眺めることが出来るそうです。実際の滝下から見上げた写真はとても迫力がありましたが、流石に川の中に入る根性を用意してきておらず、対岸から撮影しただけに終わりました。但し早朝に見た滝は、、上から朝日が差し込んで綺麗な風景を見せてくれました。

不動滝(40m) これもまた国道425号沿いにある滝で、途中不動橋という赤い橋を渡ると、その橋の中腹の対岸に見える滝です。直接ダム湖に落ちる滝で、岩を滑るように落ちる流身が、途中で岩に当たりくねらせる形で方向を変えて落ちる姿になっています。更に後方を見ると、後ろの山に銚子滝(30m)があり、距離があるものの兄弟滝のように見えます。但し私が訪れたときは水量が少なく、遠くにある銚子滝の存在感が薄かったため、今回掲載は控えました。

白滝(50m) この滝は以前から国道169号沿いと聞いており、撮影以外にもこの国道をよく通りながらも、いつも「どこにあるんやろ」と思いながら見つけられなかった滝でした。調べてみて「な~んや」と思いましたが、国道169号の旧道沿いにあるため、現在主流の新道を使って思い切り通過していただけでした。新道は「西原トンネル」を使って山を突き抜けますが、旧道は山を避けて川沿いに迂回しており、その途中の集落のすぐ近くに存在しました。これ程の落差の滝が集落にある事自体が珍しいのですが、巨石が横たわる岩盤をクネクネ曲がりながら落ちる姿は、美しいものの巨石に存在感を奪われている感がありました。今思えば岩に隠れがちな流身を出来るだけ全部撮影できるように考えたのですが、もっと滝に近付いて一部の美しい箇所を強調してみれば良かったなと感じます。

黒瀬の滝(63m) この滝も国道169号沿いにあり、看板がとても小さいのですが、運良く気づくことができました。辺りは広い駐車スペースもあるので(滝への来訪者のために造ったものではなさそうですが)、駐車には困りません。滝まで誘う細い階段につられて登るは良いのですが、すぐに誘いを無責任に放棄するかのように恐怖の傾斜を立木にしがみついて進むこととなります。少しの距離なのに恐怖を感じるのは意外でしたが、平坦な場所に降りると、滝はすぐ目の前です。素直な直瀑ですが、周りの木々がとても美しくてビックリしました。滝との組み合わせがマッチして嬉しかったですが、何故か滝の落ち口近くから滝下まで錆びたワイヤーが垂れ下がり、滝下でも無造作にねじれていました。とても見苦しく感じましたが、後で調べると滝の上から木材を降ろすために使われていたワイヤーの名残らしいです。これほど美しい滝に対するひどい扱いに立腹しながらも、恐怖の傾斜を登るために再び立木にしがみついてその場を離れました。その後令和2年の現状を確認したところ、階段はかなり急なものの最後まで誘いを放棄しておらず、ワイヤーも撤去されているようで安心しました。また訪れたいと思います。

ツキ谷の滝(60m) この滝は池原貯水池に直接流れ込む、ツキ谷にかかる滝です。国道169号から池原ダム上を走って進む国道425号を貯水池沿いに進み、貯水池が見えなくなった瞬間の崖下にこの滝は見えます。道には滝の印がありませんが、もし過ぎてしまっても滝の落ち口には滝を跨ぐ小橋があり、その手前には小屋がポツンとあるので、目印になると思います。ちなみにその小屋は別ページにある「千尋滝」の入口にもなっています。

先述の道路脇からのツキ谷の滝は、正直「細い線」程度にしか見えません。車道脇から大きな岩が累々と転がる、傾斜もキツい場所を下って行きますが、草木等はなく見晴らしが良いので、軽石への注意さえ怠らなければ危険は少ないと思います。

滝の前まで降りてみて、この滝の豪快さ・見事さがやっと分かりました。真っすぐの流身と思っていたのが末広がりであり、かつ水量が豊富なので下から見ていると怖くなる程でした。ゴツゴツとした岩に沿って形を変えて落ちる姿は大自然の凄さを感じさせます。流身の右側も小さな流れが数本ありましたが、これが水量の多い時は横にまで広がる姿になるのかと思うと、稀に見る豪快な滝に違いないです。また、私が撮影した午前10時過ぎには滝に虹がかかっていました。あと、撮影の際は先述の落ち口付近の橋をフレームからは外すようにして下さい。

かくれ滝 H27.8.22

ナル谷の滝 H20.10.19

不動滝 H27.8.22

不動滝 H27.8.22

白滝 H20.10.19

黒瀬滝 H27.8.22

ツキ谷の滝 H27.8.22

ツキ谷の滝 H27.8.22

ツキ谷の滝 H27.8.22