川上村の滝(奈良県川上村)H27.8.22他

御船滝 H27.8.22
川上村は、奈良盆地から紀伊山地に入った入口辺りにある村です。入口とはいえ、村の真ん中を縦断する国道168号以外は僅かな県道と林道しかない場所で、既に山深い風景になります。そして村内には多くの滝がありますが、殆どが山奥にあるため一部しか訪れることが出来ていません。

御船滝(落差50m)  一年を通して水量がそれほど多くなく、普段の姿より冬季の冷え込みによる見事な氷瀑になることで知られていますが、その姿は文殊菩薩を現わすと言われ、知恵を授ける滝として伝えられています。冬季は道路凍結のため国道169号沿いの「井氷鹿(いひか)の里」に車を停め(500円の協力金が必要です)、3キロ程雪の中を歩く必要があります。

上部の直瀑&下部の分岐瀑が共に美しく、引きが取れないものの左右を移動することが出来るため、いろんな角度から滝を撮影できます。更に中腹付近まで登れる見晴らし台(?)もあり、全体や上段・下段と好きなように撮影出来ます。滝の前は森であり、垂直に伸びた木々(檜?杉?)がアクセントにもなります。大雨の後には豪瀑に変わるのですが、豪瀑時はほとんど直瀑になるようですので、やはり程々の水量の方が風情があるようです。

明神滝(落差30m) 入ノ波温泉へ至る県道224号を走り、途中道脇にある大迫貯水池が途切れた辺りにある林道を左折し、三ノ公川沿いに進むと、行き止まりと共に滝への看板と山道が現れます。その道を30分程歩くと、滝が見えてきます。滝壺は深く、綺麗な水を岩肌を伝うことなく一気に落とす姿はとても美しいです。殆ど人が訪れることがありませんが、綺麗に整備されているので迷うこともないと思います。

琵琶滝(落差50m) 国道169号から下多古川沿いに入る林道を走り、行き止まり付近から標識に従い登山道を30分程歩きます。迷いはしませんが、足元が若干滑る上に後半は急登が続くのでご注意ください。滝は琵琶のような末広がりの流身をもち、独特の姿をしています。水量の多い時期は迫力のある姿となるそうです。この滝の上流には「中の滝(落差35m)」というとても美しい滝があるのですが、道中が上級者向けのかなり危険な道のため、訪れることが出来ませんでした。

衣掛滝(15m) 明神滝の説明にも出てきました大迫貯水池沿いの県道224号横にある滝です。同貯水池の真ん中には入ノ波大橋があり、貯水池を渡った先のT字を右折するとダート道となります。そのまま進むと途中で通行止めとなりますが、その手前の森の中に滝はあります。看板も無く寂しい滝ですが、末広がりの流身と周りの緑とが相まって美しい写真が撮影出来ます。道から少し俯瞰しての撮影になりますが、滝の近くまでも行くことができます。

蜻蛉滝(50m) 国道168号で吉野村から川上村に入ってすぐのスポーツ公園の入口に、公園の看板と共に蜻蛉滝の案内があります。公園の一番奥に広い駐車場があり、その横から滝までの遊歩道が続きます。5分程で滝に到着しますが、上り坂があるので足元にご注意下さい。真っすぐ進むと滝の中腹を臨む場所に着き、更に上に行く遊歩道の他、螺旋階段で滝壺に行くことができます。

万葉集にも登場する滝で、雄略天皇がトンボ(蜻蛉)に助けてもらった伝説から、滝一帯が蜻蛉野(あきつの)と呼ばれるようになり、滝の名前にもなりました。まるでストローの中を流れるような独特の姿をしています。

御船滝 H27.8.22

御船滝 H27.8.22

御船滝 H27.8.22

御船滝 H27.8.22

琵琶滝 H14.10.20

          明神滝 H14.10.20      

           明神滝 H14.10.20             

蜻蛉滝 R4.8.11

蜻蛉滝 R4.8.11
 
衣掛滝 H20.10.19