鶏足寺(滋賀県木之本町)H26.11.23
鶏足寺(旧飯福寺)のある長浜市の己高山(こだかみやま、923m)の山頂付近及び西麓には、古代から中世にかけて多くの寺院があり、天台系山岳仏教の聖地でしたが、近代以降全て山麓に下り、または廃絶されています。鶏足寺は己高山の中心寺院であった観音寺の別院で、天平7年(735年)に行基によって開基され、いったん荒廃したものを延暦18年(799年)に最澄が再興しました。嘉吉元年(1441年)の資料には、観音寺の別院として鶏足寺・飯福寺・円満寺の名が挙げられていましたが、鶏足寺は昭和8年(1933年)に焼失し、その後は事実上廃寺となっています。実際の鶏足寺跡は己高山山頂近くにあり、紅葉の名所として知られる場所は旧飯福寺のあった場所となります。そして秋には石畳に紅葉の落ち葉が積り、全てが赤く染まる絶景が見られる名所として知られるようになりました。

今は地元の方々が管理をしていますが、廃寺なので付近の整備は観光地化されていない感がありました。駐車場があるものの、鶏足寺がどこにあるのか検討もつきません。他の人の動きを見ていると、田んぼ内のあぜ道を森に入っていくので付いていきます。草木を踏み鳴らしたような道を15分程歩くと、急に森の中から立派な石段が出てきました。既に多くの方が三脚を立てて撮影していましたが、紅葉は綺麗なものの石段には落ち葉が全くなく、通常の見頃とは違う難しさを感じました。また正直この階段しか見どころがないのが現実で、それを撮影しようとする人と、階段で奥に行こうとしている人のいざこざもありました。周りの紅葉が綺麗だったので楽しく撮影は出来ましたが、ちょっと撮影しにくい場所だと感じました。