紀宝町の滝(三重県紀宝町)H11.9.10他    

落打滝 H11.9.10
三重県紀宝町は三重県の最南端にあり、熊野川を挟んで対岸は新宮市になります。井田海岸という長い海岸線がありますが、イメージ的には田んぼの多い田舎という感じです。内陸部は山あいの平地も多く、高い山も比較的少ないからか、面積が広い割に落差のある滝が少ないです。しかしながら美しい滝が揃っていて、訪れる値打ちのある地域とも言えます。あと、関係はないですが、紀宝町は私の母の出身地であり、親戚も町内に住んでいますが、私が成人になって滝を撮影し始めるまでは、紀宝町を探索したことは一度もありませんでした。

なお、紀宝町は美しい滝の宝庫ですが、その殆どが上級者向けの険しい道のりであるものが多く、今回掲載したものは比較的訪れることが容易な場所です(私なりに頑張った滝もありますが)。

落打滝(30m) 国道311号から県道35号で紀宝町内に入りますが、この県道は林道のような細くクネクネした道なので運転が疲れます。更に桐原地区から山奥に入る林道を右折し、途中の分岐を左折してしばらく行くと、小さな橋の隅っこに、本当に小さな「落打滝」と書いた板が置いてあります。駐車スペースは殆どありませんが、何とか1台は停めることができます。しかし、印のある場所に行くと、ただの10m程の崖しかありません。「嘘やろ?」とオロオロしていると、崖にロープが吊るされているのに気づき、ロープを使って河原に降りたは良いですが、そこから何も目印はありません。仕方なく上流に向けて左岸沿いに歩いて行くと、途中巨岩が川を塞いでいる場所に来ます。この巨岩が丸々スベスベで滑りやすく、巨石の下にある川は深めの底になっているので、かなり恐怖を感じながら必死に越えました。

巨石を越えるとすぐに落打滝が見えてきますが、独特の筋を作って上から末広がりに水を落とす姿があまりに綺麗で衝撃的でした。滝前は開けていて、かつ滝壺がほぼないので、自由に撮影ができます。周りの緑も美しく、水量が豊富でなくてもこれだけ綺麗な姿を見せるんだと感心しました。なお、落打滝の上流には「幻の滝(35m)」があり、これも美しい直瀑ですが、ルートが川を遡る上に危険個所があるため行っていません。いつかチャレンジしてみたいと思います。

小親滝(15m) 落打滝のある林道にあり、落打滝の手前の道下の存在します。音が大きいので気づくのですが、下に降りるルートが整備されておらず、林の中を降りていくしかありません。上から見た時は分かりませんでしたが、下に降りて滝の真正面に立つと、小さな岩が何個も積み重なっているかような壁の上を水が落ちていくので、独特の流身をしています。結構水しぶきが来るので、水量が多い時に訪れたら大変だろうと思います。なお、更に林道を奥に進んだ先に、「牛鬼滝(30m)」という、滑らかな岩を滑るような綺麗な滝があるのですが、これもルートが険しく、更に入口が見つからなかったため訪れませんでした。

布引滝(30m) 国道42号で新宮市内へ渡る橋まで行き、橋を渡らず通過し、県道35号に入ってしばらく走った左側に滝の入口の看板が見えてきます。入口付近は集落や田んぼのある平地で、滝があるように見えませんが、そこから30分程遊歩道を歩くと、森の中からいきなり断崖と滝が見えてきます。特別水量が少ない時期ではなかったはずが、滝の水は頼りないくらいに弱弱しく、下まで雫が流れ着くのかと思うほどでしたが、その水が作る筋が逆に滝を美しく見せてくれました。但し周りの草木が茂っており、滝壺付近に近付くことは勿論、滝壺付近まで入れて撮影すると茂みが入ってしまうので、意外と思うように撮影出来なかったのが残念でした。次はもう少し水量の多い時期に再訪したいと思います。

飛雪滝(30m) 熊野川沿いにあり、国道168号を車で走らせると対岸にその姿を見ることができます。但し、対岸への橋は20kmもの間一切なく、対岸沿いを走る県道740号はこれまた細くてクネクネの道なので意外と訪問は大変です。その20kmもの間、対岸側は民家も殆どない道ですが、滝自体が飛雪滝キャンプ場内にあり、キャンプ場自体が綺麗に整備された場所であることもあり、、滝付近だけは結構な家族連れが来ていました。恐らくキャンプ場の目の前に巨大な滝が存在することも、このキャンプ場の魅力に違いありません。若干水量によって魅力が左右されるところはありますが、周りの景色と相まって幽玄な雰囲気を漂わせています。

源助滝(20m) 飛雪滝から更に熊野川沿いに3キロ程県道740号線を走らせると、一帯が森に囲まれた場所に「源助滝」の小さな看板を見つけることができます。看板前にある小さな空間に車を停め、森の中を獣道で進むと広く浅い川に出ます。情報では何度か川の中を蛇行し、途中急斜面の登山道を上った先に「源助滝」「牛鬼滝」「屏風滝」があるとの事でした。どれも素晴らしい滝であるものの、、源助滝から先はかなり危険な道中とのことでした。

県道沿いの看板以外に看板は無く、ただひたすら川を歩いていたら、水の代わりに2m級の巨岩が累々と転がる斜面となりました。訳も分からないままその巨岩を越え続けて40分程(車から1時間余り)で、源助滝に到着しました。途中の登山道は分からないまま、川を遡っただけの強行軍でしたが、運が良かっただけだと思います。落差は20mとそれほど大きくはないのですが、巨大な一枚岩の上を、途中水跳ね上げながら落ちる流身は迫力があり、水量や周りの景色にも圧倒されました。なお、源助滝の左側から牛鬼滝へ続く登山道へ繋がる道があったのですが、不明瞭な上に時間も無かったので諦めました。

落打滝 H11.9.10

落打滝 H11.9.10

布引滝 H11.9.10

飛雪滝 H18.8.26

飛雪滝 H28.8.26

飛雪滝 H27.8.22

小親滝 H18.8.26

小親滝 H18.8.26

源助滝 H18.8.26

源助滝 H18.8.26