霧ケ峰高原(長野県諏訪市)H11.7.19
霧ヶ峰は長野県中部の茅野市・諏訪市・下諏訪町にまたがる火山で、八ヶ岳中信高原国定公園の中にあります。その中での霧ヶ峰高原は、車山を中心にその外輪山と白樺湖・ガボッチョ・強清水・和田峠などに囲まれた台地で、3000ヘクタールの面積があり、その中には標高1630mの八島ヶ原湿原や踊場湿原、車山湿原などがあります。現在の地形になったのは約30万年前で、最高峰は1925mの車山です。この付近は霧の発生が多いことで知られており、1963年(昭和38年)には年間293日も霧を観測したこともあったことから、その名前が付いたと思われます。なお霧の発生の原因は、隣にある諏訪湖の水蒸気が、1000m上にある高原に上がった際、高低差で冷やされるため霧が発生するそうです。

霧ケ峰高原は高山植物の宝庫として知られ、5月下旬のコバイケイソウ、6月中旬のレンゲツツジ、そして7月中旬のニッコウキスゲの群生を見る事ができます。私は霧ケ峰高原の北側にある美ヶ原から県道464・460・194号(霧ケ峰ビーナスライン)を通って霧ケ峰高原に向かいました。美ヶ原から既に周りはなだらかな起伏が続くクネクネ道ですが、周りは高い木がない草原がはるか遠くまで広がり、丘と空しか見えない非現実的な風景に感動しました。気持ちよくドライブするだけでも満足できますが、一行に目当てにしていたニッコウキスゲの姿が見えないので内心焦っていました。

霧ケ峰高原の入口である鷲ヶ峰を通過し、八島ヶ原湿原も通過したものの、全く黄色い花が見えなかったのが、車山が近付いてきた付近になっていきなり周りにニッコウキスゲの群集が見えるようになりました。意外と道の脇には少なく、いくらか草村を歩いて行かないと群集を撮影しにくかったのですが、車を停めては草村を歩いて、また戻ってきて車を走らせて・・・を何度か繰り返しました。

いくつかの写真を撮影し、帰宅後写真を見てみると、群集と風景のパターンと花のアップが多く、花を主役にして背景を贅沢にぼかすような小技が全くなかった事に気づき、綺麗な風景に撮らされてしまった感がありました。それでもそれなりに撮影することができた上に、良い思い出が出来たので訪れて良かったです。