千畳敷カール①(長野県駒ケ根市他)
R4.10.6
千畳敷カールは長野県駒ケ根市と宮田村にまたがる中央アルプス・宝剣岳(2931m)の直下に広がる氷河地形(カール)です。今から約2万年前に、氷河のゆったりとした流れにより浸食されて形成されたカール(半円形の窪地)で、畳を1000枚敷いた広さがあることから「千畳敷カール」と言われています。麓には通年営業の駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅があり、登山客の玄関口となっているほか、多くの一般観光客で賑わいます。夏は多くの高山植物が咲き乱れるお花畑、冬は雪山の厳しさという両極端の姿を見せます。春にはこの時期だけTバーリフトを設置し、千畳敷スキー場が開設されます(4月中旬~5月末)。カールの下には一周できる遊歩道があり、高山植物を見ることが出来るほか、千畳敷カールの険しい岩肌が迫ってくるような迫力ある風景を見る事ができます。

現地に行くにはJR駒ケ根駅から駒ヶ岳ロープウェイのしらび平駅までバスで行き、ロープウェイで千畳敷駅まで行くだけという簡単な方法で一気に2612mの花畑まで上がる事が出来ますが、麓にある菅の台バスセンターからしらび平駅までは一般車通行禁止のため、まずはバスに乗り込むことが必要となります。しかし紅葉の時期はかなり混雑し、始発のバスが出る前の4時半頃から既にバス停に列が出来ると聞いていました。

実際私は車で菅の台バスセンター横の駐車場に3時ごろ到着したものの、平日でありながら多くの人が車中泊をしていました。朝5時前に車中泊のうちの一人が動いた途端多くの人が動き出したのに乗じて起床し、バス停には何とか6番目に並ぶことができたものの、やってきたバスは既にJR駒ケ根駅からの客で満員でした。何とか隅っこに滑り込んだものの、そこから30分以上崖が続くグネグネ道を走るバスに揺られ、続いて日本最大の傾斜と最高地点の駅があるロープウェイにすし詰め状態で乗って、やっとの思いで到着した千畳敷カールは雲中で真っ白でした。

千畳敷駅にはホテルやレストラン・カフェがあり、綺麗に整備されていたので、落ち着くことができましたが、そこから見える外の風景はいつまでも白いままで何も見えません。それでも千畳敷カールに来るまでに駐車場代・バス代・ロープウェイ代合わせて丁度5000円かかっており、このままでは帰るわけにいかないと思い、晴れるのを待ち続けました。他の客が帰っていく寂しさに耐えながら、それでも下山しようと決めた3時間半経過後に、奇跡的に一気に視界が晴れてくれました。

千畳敷カールについては2ページに分けて掲載していきます。このページでは撮影開始後の前半に撮影した、千畳敷カールの北側の山肌を中心とした画像を掲載します。