金剛輪寺(滋賀県愛荘町)H26.11.23
金剛輪寺は滋賀県愛知郡愛荘町にある天台宗の寺院で、西明寺・百済寺と並び湖東三山に数えられます。奈良時代の僧・行基の開創と言われ、創建は天平9年(737年)または天平13年(741年)と言われています。その後平安時代前期の嘉承年間(848~851年)には天台宗の僧・円仁によって再建されたと言われていますが、これまでの創建伝承を裏付ける史料がないそうです。しかしながら平安時代後期には寺が存在していたようです。

その後平安時代から中世にかけての金剛輪寺の歴史が明らかにされておらず、これほどの大きな寺でありながら不思議な寺と言えます。その後織田信長の焼き討ちにも運よく免れるものの、江戸時代以降は次第に衰微し、寺の楼門や三重塔が一部崩壊したとのことです。昭和49年(1974年)になって崩壊していた三重塔を修繕する等整備され現在の姿となりましたが、不遇の道のりを辿りながらも国宝の本堂の他、三重塔等多くの重要文化財を所蔵しています。

総門から入り、明寿院の庭園を過ぎると、そこからは本堂・三重塔までの石段の上り坂が続きます。結構な距離ですが、その脇にはずっと風車を持ったお地蔵さんが並んでいます。大きな木が並ぶ暗い森の中で、若干恐怖を感じます。金剛輪寺は紅葉の名所ですが、入口付近と本堂・三重塔付近に集中し、長い参道には殆ど紅葉は存在しません。上り坂の上と下でしか紅葉は見れませんが、どちらも素晴らしい紅葉ですので是非ご覧になっていただきたいと思います。