熊野市の滝(三重県熊野市)H15.8.16他    

布引滝  H10.7.12
南北に伸びる三重県は北部・中部・南部に分けて多くの滝が存在します。そのうち南部は熊野市・紀宝町・御浜町・紀和町がそのエリアになりますが、2005年に熊野市と紀和町が合併したため、南部の滝の大部分が熊野市に集中することとなりました。このページではその熊野市内の滝を集めてみましたが、滝の数が多い中、あまり綺麗に撮れなかった滝は省いております。

布引滝(53m) 旧紀和町にある、日本の滝100選に選ばれている滝で、巨大な岩を浸食してできた滝が一枚岩を滑り落ちる姿は迫力と共に優雅さを感じさせます。実際は4段の滝で、1段目(12m)は見えず、2段目(4m)、3段目(8m)と続き、最後は4段目(29m)で一気に滝壺へと落ちていきます。滝見台からはほぼ全容を見ることが出来ますが、滝壺まで行ける階段で滝前まで行くと、4段目の滝しか見えなくなります。なお、付近は「熊野市きらずの森」となっています。

荒滝(30m) 布引滝の下流200m程にあり、車道から俯瞰する形となります。滝の岩肌がゴツゴツしており、その出っ張った岩に水が当たって荒々しい姿を見せるのが名前の由来となっています。私が訪れた際は水量が多く、岩肌が全く見えていない状態でしたが、流身と周りの緑とがとても美しく感じました。

弁天滝(40m) 熊野市の最北部に位置する滝で、海やJR紀勢本線・新鹿駅からも2キロ程の近さにあります。但し滝入口から滝までは30分程歩く必要があります。滑らかな岩を末広がりに水を落としています。普段は水量も少ないですが、一度大雨が降ると豪瀑へと変わるそうです。滝の下流には弁財天を祀るお堂があり、かつては御利益を求める人たちで賑わったそうですが、現在は駐車スペースもなくひっそりとした雰囲気です。

清滝(30m) 国道42号沿いにあり、遠くからでも見える滝でもありますが、滝前は木が茂っている上に看板等もないため、近くまで来ると見失いがちです。滝前は駐車できるスペースもあるのですが、国道がカーブになっている箇所にあり、急こう配のため通行車のスピードも出やすい箇所ですので、停車や出発時は十分気を付けて下さい。前述の弁天滝とそっくりの滝で、通常の水量が少ないのも同じですが、何度か訪れたうちの平成18年当時は強烈な水量のため水しぶきが凄かったです。

大馬清滝(30m) 平安時代にこの地を荒らす賊を征伐した坂上田村麻呂が建立したとされる大馬神社の境内にある滝です。大馬神社に至る道が分かりにくく、上記清滝から国道42号を峠越えし、途中小坂トンネルを過ぎたすぐ右の林道をひたすら進んで行きます。何もなさそうな細い林道の先に神社が現れると何故かホッとしました。上段で真っすぐに落ちた水が、下段の広くなだらかな岩を滑り落ちる、特異な美しさを持つ貴重な滝です。滝壺はなく滝下まで行くことができますが、巨岩が積み重なった沢を進む必要があるのでご注意下さい。

雨滝(20m) 昔、日照りが続く時期に、寺の鐘を滝壺につけて雨乞いをすると、滝壺のすむアメノウオ(アマゴ)が僧侶になって雷雨を降らせたという伝説から滝の名前は来ています。滝の岩が浸食されて奥まで後退していっているのがよく分かります。駐車場から3分程ですが、駐車場までの道は県道52号(かなり道路幅は狭い)しかなく、北側・南側のいずれからアプローチしてもかなりの距離があるので大変です。

蛇の目滝(45m) 国道42号から国道309号、更に国道169号と進み、奈良県と県境にある小さなトンネルのすぐ手前に、目立たない状態の林道入口(未舗装)があるので、その道に入ります。暫く進むと車止めがあるので、そこからは徒歩となります。4キロ程歩く必要がありますが、滝の姿を見るとその美しさに疲れも吹き飛びます。全く無名の滝ですが、周りの風景や水量、高さや流身等どれも高いレベルでまとまった滝だと言えます。

弁天滝 H15.8.16

雨滝 H15.8.16

雨滝 H15.8.16

蛇の目滝 H15.8.16

清滝 H18.8.27

大馬清滝 H27.8.22

大馬清滝 H27.8.22

荒滝 H10.5.2

荒滝 H10.5.2