美祢線(厚狭~長門市間)H15.2.9
美祢線は明治38年(1905年)に大嶺炭田から石炭を運ぶために山陽鉄道が開業させたのが始まりです(当時は厚狭~南大嶺~大嶺間)。日露戦争開戦に伴う突貫工事により1年間で鉄道が完成しましたが、完成前に戦争が終わっていました。翌年に国有化され大嶺線となった後、長門市まで延長されたのは1924年であり、当時は宇田郷・阿川・仙崎まで延伸されたものの、昭和8年(1933年)には長門市より先は山陰本線に編入され現在の姿となりました。なお、美祢線の表記は昭和38年(1963年)のことです。更に大嶺支線と呼ばれていた南大嶺~大嶺間は平成9年(1997年)に廃止されました。

運行形態は全て各駅停車の厚狭~長門市間の直通列車であり1~2時間に1本の割合で運転しています。過去には急行「さんべ」「あきよし」が走っていましたが、1985年に廃止後は優等列車の運行は途絶えました。現在はキハ120系が単行もしくは2両編成で走行しており、過去の石炭運送で繁栄していた時代の名残はほとんど残っていません。

当時撮影箇所として選んだのは厚保駅を俯瞰できる場所からの撮影でした。駅のすぐ横の斜面上に高速道路が走っており、高速道路下のトンネルをくぐってすぐ上った坂道の途中がお立ち台でした。緩やかなカーブの間に厚保駅があり、田んぼと山々というのどかな集落と共に撮影できる場所でした。俯瞰撮影とあって列車が来ても慌てる必要はなく、タイミングを図って撮影できました。もう一ヶ所は比較的近くにある厚保~湯ノ峠間にある撮影場所でした。川を挟んで対岸の細い道路に車を停め、トンネルを抜けた列車が川沿いを走る姿を撮影する箇所でしたが、前述の撮影場所とは変わって一瞬で列車が通り過ぎる場所とあって、緊張しながら列車を待ちました。慌てて手持ち撮影をして構図がズレたりしないか心配しましたが、何とか思惑通りに撮影できたと思います。