旧宮川村の滝(三重県大台町)H16.9.23    

三滝
現在大台町と呼ばれる旧宮川村は、三重県と奈良県の県境にあり、大台ヶ原や大杉谷渓谷がある秘境の地といわれる地域です。村の最北部に国道422号と県道31号がありますが、二つの道が交わった後は国道422号として谷に沿って南下し、途中からは県道53号として更に南下後、宮川ダムのある宮川貯水池を経由して大杉谷渓谷入口まで続いていきます。正直まともな道はこれだけで、これらの道は全て何もない山の中をひたすら走る状態です。

当日は一気に大杉谷渓谷の手前にある「六十尋滝(45m)」まで行き、引き返しながら滝を巡る方法で訪問しました。六十尋滝は宮川ダム湖畔の美濃谷にかかる滝で、室町時代に発見された際、高さを図ると六十尋(1尋は両手を広げた長さらしいです。約90m)あったことから名付けられたそうです。道脇に東屋と看板があり、トイレもあって場所には迷いません。少し階段を登るだけで見ることができるのですが、その割に雄大な姿を近くで見ることが出来るので満足度は高いです。なお、この滝には早朝に到着しましたが、滝の右岸側から撮影すると流身に虹がかかって綺麗でしたが、流身は左岸側の方が綺麗だったので(逆光でしたが)、左岸側からの写真ばかりになってしまいました。

続いて「三滝(100m)」に向かいました。宮川貯水池の最北にある宮川ダムの上を通り、少し行くと細い林道が行き止まりになります。車を降りてみると、「三滝」の小さな看板があるのでそこから歩きます。道はなく、ただ広い傾斜をひたすら登ると、木が減って見通しの良い砂利の登りとなり、一番奥にある岩場に三滝が見えてきます。滝つぼが凹んで遠くからは見えず、少し深くなっているので見た目より高さはあるものの、100mには見えませんでした。しかし岩を伝って流れる流身が美しく、滝を背に振り返ると見晴らしの良い景色が広がっていました。

次に「レンガ滝(25m)」に向かいました。国道沿いに「からすき谷公園」という小さな公園があり、そこに車を停めて舗装道を滝まで歩きます。チェーンで車両が通れないようになっていますが、十分車が走れる整備された道をひたすら歩きます。途中から道がなくなり森を歩くことになりますが、滝前の高い梯子を登った上で、一時間程で滝前に到着します。滝前はとても狭いので引きが取れませんが、赤い岩を滑って落ちる姿は綺麗で、滝つぼの水も青く澄んでいました。「レンガ滝」の名の通り、辺りの岩は地層の関係なのか赤レンガにしか見えない程の模様で覆われていて、他の滝では見られない不思議な雰囲気がありました。

続いて「春日谷不動滝(30m)」「魚止滝(20m)」に向かいました。二つとも国道から春日谷と呼ばれる川沿いの林道を進んだ先にある滝です。先に春日谷不動滝が道路脇に現れますが、正直迫力はなく、思わず通り過ぎてしまうところでした。高さもそれほど感じませんでしたが、流身の美しさと周りの森を組み合わせて撮影してみました。但し現在は滝前に堰堤や護岸工事の後があり、自然の雰囲気は全く無くなってしまいました。

更に奥に進みますが、途中林道が急カーブが連続する急坂に変化し、どこまで登れば辿り着くのか不安になりましたが、急カーブの外側にひっそりとありました。滑らかな岩に沿うように水が流れていますが、中段途中から傾斜がなだらかになり、その下でまた真下に落ちるという変わった滝でした。周りのコケむした岩と、青く澄んだ水の美しさがとても目を引きました。

最後に訪れたのは「滝頭不動滝(30m)」でした。国道から県道31号に入り、旧宮川村役場のある交差点から「奥伊勢フォレストピア」のある林道を進みます。伊勢フォレストピアに到着すると、そこには「滝頭不動滝まで5.6キロ」の看板があり、更に奥に進むと(途中舗装がなくなりダートとなります。運転は十分ご注意下さい)小さな鳥居が連なる場所で終点となります。そこから5分程歩けば滝見台に到着します。滝見台からしか見ることができないので構図が決まってしまうのが残念ですが、滝自体の美しさと、周りの雰囲気がとても神秘的でした。

三滝

六十尋滝

六十尋滝

六十尋滝

六十尋滝

魚留滝

春日谷不動滝

レンガ滝

レンガ滝

滝頭不動滝