室生寺(奈良県宇陀市)H24.5.3
室生寺は奈良県宇陀市にある真言宗室生寺派大本山の寺院です。奈良時代末期の宝亀年間(770-781年)に、興福寺の僧・賢環により開かれたとされています。現在では平安時代前期の建造物や仏像が多いこの寺は、当時から興福寺別院との色合いが濃く、俗世を離れた山林修行の場としての性格を持っていたとのことです。真言宗の拠点である高野山が女人禁制であったことから、女性の参拝が許されていた室生寺には「女人高野」の別名があります。

室生さんの山麓から中腹にかけてが境内におり、典型的な山岳寺院となっています。室生川に架かる朱塗りの太鼓橋を渡ると、仁王門(料金所)があります。そこからは長さはそれほどでもないものの急な階段が続きます。一つ上がると金堂(国宝)と弥勒堂(重文)があり、更に上ると本堂(国宝)、更に登ると五重塔(国宝)、更に上ると院御影堂に着きます。その先にも修行用行場の登山道がありますが、一般参拝者は立ち入り禁止となっています。なお、ここの五重塔は法隆寺に続いて最古かつ、木造最小の五重塔です。

室生寺はシャクナゲの名所として有名で、山門をくぐった後は、五重塔に至るまでのあらゆる場所にシャクナゲが咲いています。五重塔や金堂、また階段の周りにも所せましと咲いていますが、階段は幅があり、比較的周りを気にせず撮影ができます。但し高低差があるからなのか、一部で咲ききっていない場所も見受けられました。花自体は小さく、木は大き目なので、満開時期に訪れないと彩りが寂しい状態になるので注意です。

なお、シャクナゲが見頃を迎えるゴールデンウィークには、同時期に見頃となるボタンがある長谷寺とのシャトルバスも運行されます。