妙蓮寺(京都市上京区)R4.4.9
  
妙蓮寺はすぐ東側にある妙顕寺(別ページ参照)と同じ日像によって創建されましたが、こちらは本門法華宗の大本山となっています。永仁2年(1294年)に現在の中京区に法華堂が建立され、妙法蓮華寺と号したものの、その後寺は荒廃しました。応永年間(1394~1428年)に下京区に再興され、寺号を妙蓮寺としましたが、天文5年(1536年)には天文法華の乱で伽藍を焼失し、今度は大阪府堺市に移転しました。天文11年には再び上京区に移転し、天正12年(1584年)に羽柴秀吉の命により現在地に移転となり、現在に至っています。なお、境内の建物の多くは、天明8年(1788年)の「天明の大火」で焼失後、再建されたものです。

妙顕寺と同じ道路沿いにあるので、入口前の車道はかなり狭いのですが、3本のシダレザクラが迎えてくれる妙顕寺と違い、妙蓮寺の入口は結構地味な感じでした。しかし小さな門の横には、1本だけですがボリュームのあるまあるい形の桜が出迎えてくれました。中に入ると8つの塔頭が敷地の左右に並び、真ん中には大きな本堂が立っています。本堂の背後には寺務所、書院、宝物殿があるのですが、本堂の周りが広く空いていて、駐車場や舗装されている箇所が多いため、奥ゆかしさに欠けている感がありました。また、桜はチラホラあるのですが、本数が少ない上に見頃が過ぎていたので、撮影すらしませんでした。

あまり期待せずに奥へ進むと、書院入口前の小さな庭に、庭からはみ出んばかりの大きなシダレザクラがあり、テンションが一気に上がりました。場所的には宝物殿の前で、狭いながらも綺麗に整理された庭でしたが、書院入口付近からでは撮影位置が限られていました。しばらく撮影した後に、今度は書院を外壁沿いに歩くと、宝物殿の入口を見つけました。入口は立ち入り禁止になっているのか鉄格子で閉じられていたのですが、格子の隙間から見事なシダレザクラの姿と歴史を感じる宝物殿を見る事ができました。隙間にカメラを押し当てては、必死に桜を撮影していたのは少し恥ずかしかったですが、良い写真が撮れて満足しています。