中山寺(兵庫県宝塚市)H11.3.13 H27.3.8
紫雲山中山寺は真言宗中山寺派の大本山で、西国三十三ヵ所霊場第24番札所の寺院です。また、全国的にも安産祈願の神様として有名です。伝説では聖徳太子が建立したという日本最初の観音霊場と言われています。創建の経緯は、仲哀天皇と先后大中姫の子の供養のため、あるいは蘇我馬子と聖徳太子に敗れた物部守屋の霊を鎮めるために建立されたと言われています。奈良時代には大小多数の堂塔伽藍を備えた大寺院であったと伝わり、「極楽中心中山寺」と称されていました。更に平安時代からは西国三十三ヵ所の札所とされました。

中山寺は当初から安産祈願の霊場として深い信仰を集めましたが、天正6年(1578年)の荒木村重と織田信長との有岡城の戦いの戦火を受けて全山が焼失しました。慶長8年(1603年)には豊臣秀頼により本堂、護摩堂や阿弥陀堂などが再建され、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災での被災でも後に復興しています。私は昔中山寺から歩いて4分ほどの場所に1年間のみ住んでいていましたが、その頃の中山寺は古風で静かなイメージでした。数年後結婚し安産祈願で訪れた時は、バリアフリーのためのエスカレーター等近代設備が完備され、床も大理石となり、ピカピカの五重塔や多宝塔が再建され、変なテーマパークの装いを感じました。それでも奥にある梅園は相変わらずでした。

ここでの梅撮影は、意外と中山から引っ越した後に初めて行いました。名所も近すぎる場所に住むと、逆に行かなくなるものだと感じました。平成11年に訪れた時はかなりの雨天で、人はいないものの撮影は苦労しました。当時はまだフィルム撮影で、梅は見頃だったのに雨天で暗い写真ばかりとなってがっかりしました。時は過ぎ、平成27年に訪れた時は、晴天だったものの、隅にある赤い梅しか咲いておらず、デジカメで数枚撮影しただけで終わってしまいました。本来は白い梅が急斜面に沿って咲き乱れるのが通常の姿ですが、その姿はほとんど撮影できていません。機会があればその斜面に咲く梅と、晴天の空に浮かぶ雲との組み合わせを撮影しに行きたいと思います。