南部縦貫鉄道(野辺地~七戸間)H7.9.23
南部縦貫鉄道は1962年に南部縦貫鉄道が設立した鉄道ですが、建設当時から沿線自治体が寒村ばかりで資力に乏しく、すぐに資金が尽き工事が何度も中断されながらも何とか開通にこぎつけた路線です。しかし主となる目的の砂鉄輸送は鉄鉱石の価格下落により頓挫し、既に並行道路に路線バスが走っていることから旅客も見込めず、1966年には倒産し、以後「更生会社」の肩書をもつ鉄道会社となりました。親会社が自治体から清掃事業や給食調理を受託し、その収益で鉄道を存続していましたが、一発逆転を狙った東北新幹線七戸駅への乗り入れ計画が頓挫後、国鉄から借りていた土地の買取を迫られたものの資金が捻出できなかったことから、平成9年(1997年)に全線休止しました。その後沿線自治体が路盤の買取を行ったものの、休止中に荒廃した鉄道施設の復旧が困難なため復活を断念し、平成14年(2002年)廃止となりました。開業から廃業まで一貫して同じ旧型レールバス(キハ10)で運行し、一日5往復のダイヤでした。現在は旧七戸駅構内でキハ10が動態保存され、毎年G.Wに体験乗車イベントが行われています.。

東京での勤務時代に、当時のいわゆる「乗り鉄」の先輩と鉄道撮影に出かけた唯一の旅行で、何も分からず先輩に言われるがままに東北新幹線に乗り前日泊後早朝に野辺地駅に行きました。初めて見るレールバスにびっくりしたと共に、実際に1往復乗った感想は「遊園地の乗り物みたいで面白い」でした。隣を走る車に抜かれながらも車体を揺らせながら一生懸命走る姿が可愛らしかったです。その後レンタカーで先回りしながら何枚か撮影しましたが、ブレた写真が多くてショックでした。それでも貴重な体験と記念に残る撮影が出来たので、先輩には感謝です。

実際には1996年年度末で廃止予定だったものの、廃止前に鉄道ファンが殺到したため、運行延長のうえ廃止方針を転換して休止とした経緯があります。開業前もその後も稀に見るほどに散々な路線でしたが、ファンから愛された最後のレールバスを運行してくれた会社にも感謝したいと思います。