二本松市の桜(福島県二本松市)H28.4.16     
二本松市は福島県の福島市と郡山市の中間にあり、東北道や東北本線といった交通の大動脈が通る場所です。但し広い区域の殆どは山が占めていますが、至る所に人が住んでいるので開発や整備は進んでおり、静かでのどかな山村といった雰囲気の場所と言えます。車で走るとアップダウンの多い道ばかりという印象ですが、この地は南側にある郡山市・三春町と並んで、桜の巨木が多いことで知られています。私が訪れたのは1日のみだったので、その殆どは巡ることができませんでしたが、数少ない撮影分を掲載しました。なお、二本松市内にある「合戦場の桜」「福田の桜」は別ページに単体で掲載しています。

始めに掲載しました「松尾山愛蔵寺の桜」は二本松市(旧東和町)の戸沢地区にあり、羽山の麓にあります。寺の中にあるベニヒガンザクラは推定樹齢800年と言われており、高くはないものの、横に長く広がる姿はとても優雅です。言い伝えによれば、羽山は2度の火災に見舞われたそうですが、二度目の火災の際に吹き上げられた秘密護摩札が風に乗り、この木に留まったことが、護摩桜の名前の由来と言われています。また、寺が現在の地に移転してから桜の姿や花の量がいつまでも変わらないことから「育たぬ桜」と言われているそうです。幹の太さは3.3m、高さは9.8mで、4月中下旬の満開時には、噴水がしたたるように紅色の花をつけ見事であると、寺の説明書きに紹介されています。


次に掲載しました「東和祭田(とうわまつりだ)の桜」は樹齢840年のエゾヒガンザクラで、幹回りは7.5mの巨木です。一般の住宅内にはありますが、道の脇から見上げることによって桜を見る事ができます。周りにはいくつかの若い桜の木と、傾斜に広がる菜の花畑があり、とても綺麗でした。夕暮れ近い時間に訪れたので、桜が暗く写ったのが残念でした。

次の2枚の写真は、「桃前(ももぜん)の桜」です。樹齢500~600年と言われる桜で、幹回りは6.2m、樹高は15mになります。花付きもとても良く、太い幹にも貫禄を感じる素晴らしい桜ですが、存在する場所が林道の脇であり、小さな立て看板とカーブミラー以外は何もない、寂しい扱いです。地元の方には、この桜の開花が農作業の目安になっていることから、「肥盛(こえもり)桜」と呼ばれているそうです。

残りの3枚は、車で移動中に偶然見つけた桜です。桜は巨木ではないものの満開で美しく、その下には菜の花が多く咲いていました。恐らく田畑の一部だと思いますが、地域の人達が桜を大事にしているのが感じられました。