西沢渓谷(山梨市)H7.10.30
西沢渓谷は山梨県の最北部に位置する渓谷で、秩父多摩甲斐国立公園内に存在する、国内屈指の渓谷美を誇ると言われる景勝地です。巨大な花崗岩を清流が浸食してできた渓谷で、日本の滝100選に選ばれている「七ツ釜五段の滝」を筆頭に、大久保の滝、三重の滝、竜神の滝、恋糸の滝、貞泉の滝等様々な滝があります。渓谷内には遊歩道が設けられ、5月のシャクナゲや秋の紅葉の季節には、多くの観光客が訪れます。また、「平成の名水百選」「森林浴の森百選」「水源の森百選」にも選定されています。

甲府市内から国道140号でひたすら北上すると、埼玉県との県境にある雁坂トンネル有料道路(6625m)に差し掛かりますが、その手前にある林道を左折した先に渓谷入口があります。なお、JR山梨駅前から渓谷行きのバスに乗車すると1時間程で到着します。入口付近には車60台が駐車できるスペースがありますが、行楽シーズンはすぐ満車になるので注意が必要です。遊歩道から渓谷を歩きますが、1周10キロのハイキングコースは所要時間が約4時間、七ツ釜五段の滝までは同じく2時間となります。

西沢渓谷は「奥秩父最後の秘境と」言われ、周りには乾徳山・甲斐信ヶ岳・国師ヶ岳といった有名な山が取り囲んでいますが、意外と西沢渓谷のハイキングコースの難易度は低いです。始めの10分程は車道を歩きますが、その後は吊り橋を渡る等本格的な渓谷歩きになります。道は綺麗に整備されていますが、所々険しい場所があり、鎖場もあり転落もよぎる場所もあるのでご注意下さい。

メインはやはり最奥部にある「七ツ釜五段の滝」ですが、2時間かけて(人が多くペースが上がらないので更に時間がかかります)きたのに滝前の遊歩道は人が二人重なると危険を感じるほどの狭さで、かつ滝自体が真ん前にあるためカメラに収まりきらない感がありました。何とか撮影しようとできるだけ背中の岩場にへばりついて引きを取ろうとするもどうにもならず、早く撮影しないと後続が渋滞するし、おちおち撮影できずに通過してしまいました。

結局渓谷美と紅葉の美しさが素晴らしかったし、全ての渓谷を見たはずなのですが、かなり後になって写真を整理したら、殆ど撮影された写真が残っていませんでした。実際に撮影した枚数が少なかったのだと思いますが、当時の私はあれほど感動したのに何故撮影をしなかったのかと不思議に思うほどでした。もしかしたら七ツ釜五段の滝ばかりに意識が行っていて、美しく思ったものを撮影する作業を怠ったのかもしれません(遊歩道が狭く、後ろからの突き上げが厳しかったのかも?)。今となればなかなか行ける場所ではなく大変痛恨ですが、再訪したいと思います。