大糸線(糸魚川~松本間)H12.8.5
大糸線は松本~信濃大町間を、信濃鉄道が大正4年(1915年)に開通させたのが始まりで、信濃大町~糸魚川間は国が建設しましたが、まず大糸南線(信濃大町~中土間)と大糸北線(小滝~糸魚川間)で1935年に開業し、全通して大糸線となったのは1957年となりました。なお、JR路線名で複数の地名から一文字ずつ取って付けられた名前は通常音読みですが、例外的に大糸線と米坂線は両方の漢字を訓読みにしています。

大糸線は南小谷駅を境に大きく異なります。松本~南小谷間はJR東日本の管轄で、全て電化のため他路線からの直通列車もあり、特急「しなの」「あずさ」が入線しています。また田んぼの広がる平地を走る快走路ですが、運行形態は松本~信濃大町間で1時間に1~2本、信濃大町~南小谷間は3時間以上運行されない時間帯もあります。

南小谷~糸魚川間はJR西日本の管轄です。接続線である北陸本線の金沢~直江津間がえちごトキめき鉄道に運営が変わり、大糸線のこの区間はJR西日本管轄の飛び地になっています。姫川に沿って山間を縫って走り、高低差もある非電化区間を、1日7往復で運行されています。この区間の途中駅は全て無人駅であり、列車の離合可能な駅は根知駅のみです(小滝・平岩・北小谷・中土各駅にあった離合施設は撤去されています)。この路線では、キハ52の最後の定期運行がされており、鉄道ファンの注目の路線でしたが、平成22年(2010年)3月のダイヤ改正により全てキハ120に置き換えられています。なお同時に車内でトイレが使用可能になったとのことで、大きな改善だったと思います。

初めて大糸線を訪れたのはまだ車両の置き換えの話題すら出ていない夏の日で、自然の中を走る旧型車両を撮影しようと日帰りの強行スケジュールで訪れました。白馬等のアルプスを連想させる険しい山々との組み合わせも撮影できるかと思いきや、そのような撮影が出来るのは南小谷以南であり、非電化区間の風景は普通の山々でした。また、車両は白と緑のカラーリングで、昔ながらのキハ52を連想させにくい姿が残念でした。しかし、自然が溢れる中を単行のキハ52が走る姿だけでも感動的で、かつ沿線にはいろんな撮影場所が豊富にあるので、楽しく撮影することが出来ました。但しやはりローカル線なので本数が少ないため、待ち時間が長くなるのは仕方なく、更に信州といえども8月はかなり暑かったため、15時頃に体力の限界を感じて早々に引き上げてしまいました。

なお、最後の一枚は、偶然大糸線を通過した季節列車です。