大野寺①(奈良県宇陀市)H18.4.15
大野寺は奈良県宇陀市にある真言宗室生寺派の寺で、室生寺西側の大門に位置しています。向かいにある宇陀川岸には自然岩に刻まれた彌勒磨崖仏(1210年完成)があります。

近鉄大阪線・室生口大野駅から室生寺へ向かう途中にあり、681年に創建されました。室生寺も大野寺も奈良・興福寺の僧侶によって創建・整備されたことから、興福寺と深い関係がある寺であると考えられています。

大野寺前に広い駐車場がありますが、桜の時期は観光客やツアー客で駐車場がすぐ満車になります。寺前の垣根の上部から、既にこぼれんばかりの枝垂れ桜が垂れています。よく見ると白い桜とピンクの桜があり、早咲きの桜と遅咲きの桜が順に咲くため、長い期間花見を楽しめるとのことです。

境内に入ると、主役の枝垂れ桜の巨木2本がすぐに目に入ります。境内自体はそれほど広くないこともあるせいか、この2本の桜の存在感が際立ちます。この2本は樹齢約300年のコイトシダレザクラの古木で、コイトザクラ自体が全国的にも珍しい品種とのことです。他にピンクが鮮やかなベニシダレザクラ10本が境内にあります。

寺自体は明治33年(1900年)に火災のため全焼しました。本堂をはじめとする仏像などは持ち出して無事でしたが、現存する建物は全て火災以後の再建されたものです。

私が訪れた当日は途中から本格的な雨が降る悪天候のため、写真も全体的に暗い出来になってしまいました。雨の為か観光客も少数でしたが、折角の満開の桜が雨で散ってしまわないか心配になりながら撮影しました。帰宅後に写真を見て、色が出なかったことが残念に思い、再訪を誓ったものの、現実に実行するまで数年かかってしまいました。その時の画像は別ページで掲載します。