田野浦(和歌山県和歌山市)R2.9.21
和歌山市南部にある和歌浦湾沿岸は、万葉集にも数多く詠まれた景勝地である「和歌浦」や、鉄砲傭兵団・雑賀衆の地として有名な「雑賀崎」があります。これらは半島として突き出た場所にあり、奇岩に囲まれていたり海の横がすぐ山である険しい風景を見せています。その地形の中でも和歌浦漁港や田ノ浦漁港、親子つりパークなど、海で生活する人の拠点や海での遊び場所も存在します。

田野地区は和歌浦と雑賀崎の間にある地区で、半島を海に沿って走る県道が陸側に迂回する場所に位置しています。迂回した県道は山の上側を走りますが、そこから海に向かって崖にへばりつくようにいくつもの住宅が所狭しと並ぶ風景は独特です。地区内には人がすれ違える程の細い道(殆ど階段)があちこちに分かれており、迷路みたいでとても探検気分を味わえます。そして車も来ず人も早く動けないこの場所は猫たちにとってとても住みやすい場所となっています。

階段続きなので散策をするにも体力が必要ですが、海側から上の県道まで真っすぐ進むと10分程で到着するので、上まで登ったら違う道で下まで降りて・・・の繰り返しをしていました。当日特に猫が多かったのは県道沿いにある駐車場で、海が見渡せる場所におよそ10匹の猫がいました。多くが白黒で、恐らく家族だと思われます。また、県道脇のビル横から下ったビル下にも6匹の猫、海側から登る際の東側にも三毛猫等7匹がいました。ビル下の猫たち以外は比較的人に慣れていたので撮影がしやすかったです。また、夕方になるにつれて数が増えてきたので、時間を考慮して訪れた方が良いと思います。

田野地区は傾斜が激しいうえに車も通れず、生活をするには不便な所です。それゆえ住人の減少が進んでいるようで、実際空き家になっていたり一部崩れている家が多く見られました。和歌山市中心地まで車で6キロ程と便利な距離なので、人口減に歯止めがかかることを祈っています。