立又渓谷(秋田県北秋田市)H8.10.21
立又渓谷は標高1016mにある佐渡湿原を源流域とする、標高300mの渓谷です。駐車場から徒歩10分で一ノ滝、その後30分で二ノ滝、更に20分で幸兵衛滝に到着する流れです。

駐車場から一ノ滝までは比較的スムーズに進みます。柱状節理の岩を流れる落差38mの一ノ滝は、クマザサが茂る森の隙間から見えてきて、谷を挟んで対岸から正面を向いて見ることが出来ます。時間によっては滝つぼ付近に虹が現れることが多く、滝上部には色づいた葉が滝を彩ってくれます。

次に一ノ滝を迂回して二ノ滝に向かうのですが、別の観光客のおじさんが撮影を続ける私を怪訝そうに見ながら先を進んで行ったのが気になった後、ふと強い獣の匂いに気づきました。当日は風が強く、クマザサで視界が見通せない状態で、「まさか」と思いながら急いで先ほどのおじさんの後を追いかけました。

続いて落差20mの二ノ滝に辿り着くと、事前に調べていた美しい流身がそのままの姿であることに興奮しましたが、あまり近くに寄りにくい上に若干草が邪魔するのが気になりました。もう少し水量が多ければ良かったのですが、秋は基本的に水量の少ない時期なので仕方なく思いました。

二ノ滝から幸兵衛滝までは結構な上り坂になりますが、落差108mの幸兵衛滝を見ると疲れが飛んでいきます。山肌を一気に滑るように流れる姿と、周りの紅葉との組み合わせは素晴らしいの一言です。幸兵衛滝を見るには滝中段からの展望台からとなり、滝つぼから見るなら二ノ滝を越えて遡上するしかないそうです。

なお、立又渓谷は無事済んだ後、近くにある安の滝に行きましたが、その際知り合った現地の方と話をしていると、立又渓谷の一ノ滝~ニノ滝間はツキノワグマの出没確率の高い場所で、地元の人は一人では行かないとのことでした。獣の匂いを感じるのは、熊はすぐ近くにいることを現わすらしく、おじさんは私を心配しながら先を進んだようでした(声をかけてほしかった・・・)。ゾッとした出来事でしたが、もしここに行かれる時はお気を付けください。