東北本線①(東京~盛岡間)H14.8.11他

八戸~陸奥市川間 H14.8.11
東北本線は1891年(明治24年)に全線が開通した路線で、かつて東京~青森間の739・2㎞を結ぶ日本最長の路線でした。日本の大動脈として長年活躍していました、1982年から始まった東北新幹線の整備に伴い東北本線内の優等列車が減っていき、2002年(平成14年)12月の八戸駅開業と2010年(平成22年)の東北新幹線・新青森開業に伴い、盛岡~目時間は「IGRいわて銀河鉄道」、目時~青森間は「青い森鉄道」に経営が移管されました。そのため現在の東北本線は東京~盛岡間の535.3㎞の路線となり、山陰本線・東海道本線に次ぐ在来線で3番目に長い路線となりました。

私が鉄道写真に興味を持った小学校低学年の時に、ふと店で販売されていた鉄道写真を1枚だけ小遣いで購入したのですが、その写真は583系の特急「しおじ」でした。何故その写真を選んだのかは不明で、「しおじ」は昭和53年に廃止となったので、恐らく廃止前後に購入したようです。ただ、その写真は幼心にはとても印象に残り、社会人になって鉄道撮影を始めた頃にもずっと583系は頭の片隅にありました。

正直現在でも鉄道の知識は殆どありませんが、鉄道撮影を始めた平成8年ごろには、関西圏を走る583系は新潟行きの寝台急行「きたぐに」だけで、それも塗装が水色一色になったり、更に塗装変更があったりしましたが、どうしても青色のオリジナル色を撮影したい気持ちが強くなりました。そんな時、東北本線を走る特急「はつかり」の一部、そして夏休みの臨時寝台特急「はくつる」に583系が使用されていることと、新幹線開通により廃止となることが分かり、その後3回に分けて東北まで撮影に行きました。

2002年(平成14年)12月の東北新幹線八戸駅開業と共に廃止となるまでに、平成10年8月、平成12年5月、平成14年8月と訪れました。そして3回の東北本線の撮影では、フィルム選びに振り回された感がありました。写真撮影を始めた当初はネガフィルムで、途中からリバーサルフィルムに転向したものの、動態撮影に向かないリバーサルフィルムで鉄道を撮影しだしたのは随分後になりました。1回目の東北本線撮影ではネガフィルムで、とにかく583系の純粋な走行写真ばかり撮影しました。その後ネガフィルムで飽き足らず、リバーサルフィルムで再度2度目の挑戦をしましたが、案の定シャッタースピードが足らずに失敗続きの内容に終わりました。その後リバーサルフィルムの感度を増感する方法を知り、比較的家から近い福知山線で撮影練習をした後に3度目のチャレンジをしました。三度目では撮影箇所もしっかり調べ上げ、ほぼ完璧な内容でした。早朝の寝台特急「はくつる」撮影時は大雨でしたが、奇跡的に流し撮りが完璧の出来だったのも幸運でした。

なお、この土砂降りの早朝の中、線路横にはかなりの数のファンが傘をさして列車を待っていましたが、勿論の事ながらどうしても傘が撮影の邪魔になってしまいます。仕方ないと思っていましたが、列車が見えてきたと同時にファンの一人が大声で「列車が来ましたので傘を閉じて下さぁい!」と叫んだ途端、ものの見事に全員が傘を閉じました。私も慌てて傘を閉じ、ずぶ濡れになってシャッターを押していましたが、鉄道ファンの協調性の凄さを見せつけられました。

東北まで特定の鉄道のためだけに3度も訪れるとは思いもしませんでしたが、廃止4か月前を切った時期に撮影が間に合ったことはとても良かったです。

小鳥谷~小繁間 H10.8.6

渋民駅 H14.8.6

小鳥谷~小繁間 H14.8.9

東青森~小柳間 H10.8.7

滝沢~渋民間 H14.8.9

小鳥谷~小繁間 H12.5.4

好摩~岩手川口間 H14.8.9

滝沢~渋民間 H14.8.9

滝沢~渋民間 H14.8.9