矢田寺(奈良県大和郡山市)H15.6.15
矢田寺は、大和郡山市にある高野山真言宗の寺院です。大海人皇子が壬申の乱の戦勝祈願のために矢田山に登り、即位後の天武5年(676年)に天皇の勅願によって開かれたとのことです。その後戦乱等により多くの僧坊が焼失しており、現在は矢田寺北僧坊・同大門坊・同念仏院・同南僧坊の4つの僧坊を総称して矢田寺と呼んでいます。なお、矢田寺の名前は万葉の昔からこの地の名が矢田の里であったことに由来しています。

矢田寺の正式名称は金剛山寺(こんごうせんじ)と言いますが、別名「あじさい寺」と呼ばれるほどアジサイで有名です(アジサイが植えられたのは昭和40年頃からと、新しいのは意外でしたが)。境内には約1万株、約60種類のアジサイが植えられています。山門から中を進んでいくと、右に大門坊・左に念仏院があります。そのまま二つの間の参道をまっすぐ行くと北僧坊・南僧坊がありますが、メインとなるアジサイ園は念仏院の更に左側にあります。結構高低差のあるアジサイ園で、谷に作られたような感じを受けます。アジサイはこんもりと密集して咲くため、とても場所を取るのが影響しているのか、その遊歩道はアジサイに飲み込まれる程に細く、人同士の離合も難しいほどです。訪れた日は雨天だったため、アジサイは綺麗な色を出していたものの、細い遊歩道で傘を差して歩くことすら困難で、葉についていた水滴で衣類がびしょ濡れになりました。更に観光客もかなり押し寄せており、ゆっくり撮影できる状況ではありませんでした。

メインのアジサイ園では苦労しましたが、大門坊・北僧坊付近にもアジサイ園があり、その他にもそこかしこに綺麗なアジサイが咲いているので、撮影には事欠かないです。人の多さにはびっくりしましたが、やはり花の性質上、苦労を覚悟してでも雨天の訪問をお薦めします。